Doughnut House
地方に建つ夫婦ふたりの住宅である。周囲は畑と住宅が混在しているため敷地の境界が明確にされていない家が多い。そこで、まず広い敷地の周りを土手で囲みゆるく領域を定義し、そこに埋もれるように平屋を置くことにした。プランは機能的でシンプルだが、中庭を設けることで奥行きと回遊性を持たせた。その中庭は屋根の中心をずらして配置しているため、天井のこう配やスペースに変化が生じ、場の性質を変化させていてそれぞれ機能と一致した空間をつくることができた。軒下空間や中庭によりウチとソトが繰り返し、建具や境界線の操作で領域が変化する。視線の抜けや外部空間のデザインにより心理的な奥行きが生じ、周囲との距離を保っている。これらにより、採光、通風を最大限に取り入れた自然との共生が感じられる気持ちのよい住宅となった。
家族構成 | 夫婦 |
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延床面積 | 114.56m2 |
階数 | 平屋 |
主要構造 | 在来木造 |
竣工 | 2010.08 |
PHOTO BY HIROSHI UEDA